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炭火の三つの壁を越える、七輪のしくみ

更新日:2025年9月2日


七輪はその素朴な外観とは裏腹に

炭火を扱う上で

とても合理的な構造を備えた道具です。

コーヒーを炭火で焙煎する際にも

七輪は静かに確かな力を発揮。


  着火しやすい構造


備長炭で、最初のハードルとなるのが

火起こし。

備長炭は着火性があまり良くないため、

点火に時間がかかることも

少なくありません。

七輪は、中央部に穴のあいた火皿を置き、

空気の通り道を

確保した構造になっていて、

下部の送風口からの空気が

自然に上昇することで、

いわゆる「煙突効果」が生まれます。

炭に酸素がよく行き渡るため、

火が起こりやすく、

安定するまでの時間も短くなります。

うちわで軽く送風すれば、

さらに着火を助けることができます。

火起こし器(チャコールスターター)と

同様の原理を、

道具の一部として備えているのが

七輪の特徴です。


  火力の調整がしやすい


炭火の難しさの一つが、

火力のコントロールです。

ガスや電気の火力のような

ダイヤル式調整ではありませんが、

七輪にはスライド式の送風口があり、

空気の量を調整することで

火の勢いを自在に

コントロールすることが可能です。

送風口を開ければ火力が強まり、

閉じればゆるやかな火加減に。

また、火皿の穴から灰が落ちるため、

炭が灰に埋もれてしまうことも少なく、

炭が持つ本来の火力を長く維持できます。

火皿の構造そのものが、

火力調整と燃焼効率の両方に

貢献している点も見逃せません。


  限られた炭で、十分な熱量を確保


七輪本体の素材には、

珪藻土が使われています。

珪藻土は無数の細かな穴を持つ

多孔質素材で、

断熱性と保温性に優れているのが特長。

この素材が熱を閉じ込め、

側面からの放熱を抑えるため、

少ない炭でも効率よく

熱が上に向かって伝わります。

燃料の消費を抑えながら、

必要な熱量をしっかり得られる構造は、

特に長時間にわたる作業の際に

ありがたいものです。

また、炭が燃えすぎることを防ぎ、

必要以上の温度上昇を抑える点でも、

七輪は扱いやすい道具です。


  作業集中の火まわり


火を使う作業は、

どうしても気を遣う場面が多くなります。

その中で、火加減が安定しやすく、

炭の消費も穏やかで、火の始末もしやすい。

七輪は、“炭火とどう向き合うか”を

丁寧に考えられた構造になっています。

火と向き合う時間に、

無駄な手間や不安が少ないこと。

そのことが、焙煎や加熱といった

作業そのものに、

より集中できる環境を生み出します。


  機能美あふれるフォルム


私たちの焙煎体験では、

三河産の黒七輪を使っています。

内側は珪藻土、外側には三河土。

三河土は、熱に強く丈夫で保温性が

高いことで知られています。

写真の七輪は使い始めて5年。

炭焼の家人の師匠の特注品で

風を送る火皿の下のスペースが広く

火のコントロールがしやすくなっています。

火を起こし、温度を見極め、

じっくりと手を動かす。

その過程に寄り添ってくれる道具として、

七輪はとても信頼できる存在です。


  まとめ


七輪は、見た目の印象とは裏腹に、

炭火の三大難点である

「着火のしにくさ」「火力の不安定さ」

「燃費の悪さ」を自然な構造で

クリアしています。

火を扱う体験において、

七輪がもたらすのは安定感と手応え。

必要以上の機能を足さず、

シンプルな仕組みで合理的に

火を扱える道具です。

体験に参加される方には、

ぜひこの七輪の良さを、

実際に火を使いながら

感じていただければと思います。

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